「速読の原理」

①通常の読書

速読の原理を理解するには、
私たちは「普段どのように文章を読んでいるのか」
を学ぶことが大切です。

そのときの目の動きを観察してみましょう。

普段、自分ではあまり意識しませんが、
通常、私たちは文章を読むとき、文字を一文字ずつ
見ているのではなく、数文字ごとの固まりで捉えています。

この「一度に捉えることの出来る範囲」読視野といい、
国立国語研究所などの研究によると、
日本人の平均は約3.2文字と言われています。

そして文字を捉えるとき、一瞬は止まります。

その「視線が止まっている時間」視点停留時間といい、
こちらは日本人の平均では約250ミリ秒、
つまり1/4秒ほどかかります。

そして次の範囲に移動するのですが、
この「視線の動き」視点飛躍といい、
約15ミリ秒かかります。

つまり私たちは読書をしているときの目の動きは、
「約3.2文字を250ミリ秒で捉え、
次の3.2文字に15ミリ秒で視線を移動させる」
の繰り返しを行っているのです。

②速く読めるしくみ

速読のトレーニングではまず視野を広げることから始めます。

3~4文字を一目で見ていた状態から5~6文字、7~8文字と、
徐々に一目で見ることの出来る範囲を広げていきます。

次に視点停留時間の短縮を図ります。
平均は250ミリ秒、つまり1/4秒ですから、
平均的な方で1秒間に4回ほどで止めていた
始点の動きを1秒に5回、6回と徐々に増やしていきます。

これにより、文字を効率良く捉えることが出来るようになります。

しかし、これだけでは以前より「文字が見やすくなった」に過ぎません。
陸上競技や水泳で言えば「フォーム改善」のようなものです。

フォームを改善することは第一ですが、
本当に早く走りたくなったら改善したフォームで
沢山走りこむことが何より大切です。

その際、適度な負荷を掛けながら行えば
筋力やスタミナが効率よく上昇し、
更なる成績向上が見込まれます。

速読のトレーニングでも同じことが言え、
読視野拡大、視点停留時間の短縮は大切ですが、
改善された文字の見方で、たくさん読み込むことはもっと大切です。

これにより「早く、しっかりした理解を伴った読み」になります。

その際、適度に負荷をかけて行うことにより、
理解力や記憶力、イメージ力なども効率よく上昇し、
更なる読みの力、スピードの向上が見込まれます。

③どのくらいで速く読めるようになるのか

では、この速読法でどのくらい速く
読めるようになるのでしょうか。

個人差はありますが、トレーニング開始時に
1分間に400文字程度だったのが、
トレーニングの結果、多い人で1万文字以上にもなっています。

とても速く感じるかもしれませんが、
「出来ない、あり得ない」世界ではありません。

例えば「読視野を2倍に、視点停留時間を半分に」
なるようトレーニングすれば、
読書速度は以前の約4倍になります。

読視野を更に倍に出来れば読書速度は以前の8倍、
これは普通の文庫本1冊240ページを30分で読める速さです。

1行が35~40字で組まれている文庫本では
12.8文字は1行の約1/3にあたります。

そこで「一目で1行の1/3を捉える」ことが
速読マスターの一つの目安になります。